きのう、水谷豊流の卵かけごはんを書きながら、「しょうゆのパワーを見せつける料理がもう1つあるじゃないか」と思った。
それは「バターライス」だ。
通常、バターライスというと、ごはんをバターで炒めたものを想像するが、そうではなく、温かいごはんの上にバターを載せしょうゆをかけただけの極めてシンプルな料理だ。
この食べ方がなかなか面白い。
まずはごはんの上にバターをひとかけら載せる。バターは近くのコンビニで買ったものだ
しょうゆをかける。番組では「ちょっとだけ、ちょっとだけ」と言いながらかける。「バターの風味を殺さないさじ加減ですね」というコメントもある。しょうゆはこの料理の主役ではないが、欠かせない脇役となっている
ゴローさん流は、ごはんでバターを覆うようにして、30秒ほど蒸らしてバターが溶けるのを待つ
頃合いを見て軽くかき混ぜて出来上がり
小林薫が演じるマスターはゴローさんに「はい、バターライスと小豚汁」と言いながら料理を出して、金は取らない。その代わり、ゴローさんはギターの弾き語りで1曲披露する。その歌は決まって「函館の女」だ。この歌がまたいいんだな
数日後にこの食べ方を試してみたが、それほどうまいとは思わなかった。
しかし、きょうは「あのときとは違うぞ」と思った。
それは、米、バター、しょうゆが3つとも上海で食べたときとは違うからだろう。
シンプルな料理ほど素材の良しあしが味に直結する。
上海の食材が悪いとはいわないが、バターライスのようなほとんど手を加えない料理は、やはり日本の食材でないと日本人好みの味にはならないのだろう。