実はこの計画は本来、平成から令和への改元の節目を飾ろうというものだった。
しかし、4月30日から5月1日にかけての天気予報があまりにも悪くて「だめもとで」と踏み切ることができず、2日延期せざるを得なかった。
私はこの駅の名を「きれめ」と読み、「平成から令和に変わる切れ目としては絶好だな」と思っていた。
ところが、この駅は「きりめ」と読むことを駅を去る直前に知って驚いた。
まあ、それは大した問題ではなく、駅から南に1キロほど歩いた所で、よさそうなポイントを見つけた。
そこは民家の庭で、外で作業をしていたご主人に、「ここで夕日を撮らせてもらってもいいですか」と聞いた。
ご主人は「ああ、いいですよ。どうぞ、どうぞ。ここからきれいに見えますよ」とアドバイスまでしてくれた。
撮影の合間に聞いたところによると、ご主人と奥さんは8年前に東京から引っ越してきたそうで、ご主人は「私もここから見る夕日が好きでね。それで越してきたようなものです」と言っていた。
奥さんも気さくな人で、「ここの暮らしはいいことばかりじゃないんですよ。海風が強くてね。冬場は毎日、台風に見舞われているようなものです」と笑っていた。
2人のおかげで撮影は無事終了し、スマホの充電までさせてもらい、感謝の一言だ。
日の入りの時間(きのうは午後6時42分)の15分ほど前。光の筋が長く延びた
光の筋が消えると日の入り間近となる。ご主人が「ここからは四国が見えるようで、太陽は海に沈まないんですよ」と言っていた通り、太陽は水平線に近づくと雲に隠れてしまった
日の入りの数分後。雲が赤く染まった
◎この日の行程
和歌山駅で買った「小鯛雀寿し」(税込み1080円)とエビスビール。今回の付録的な目的は、その土地の名物料理を食べ、酒を飲むこと。すしは小鯛の腹を開いて酢飯を詰め雀のように膨らませたもので、なかなかいけた。酒も普段はめったに飲まないエビスビールを張り込んだが、地酒にするべきだったと思った
和歌山からは御坊行きの電車に乗る。安くあげるためには、細かい乗り継ぎが避けられない
海南を過ぎたあたりから海が見え隠れするようになる。「紀伊半島に来たな」という実感が湧いてくる
御坊で乗り継いだ電車。ぐっとローカル色が増した