けさ、日本一ののっぽビル「あべのハルカス」を撮りに行った。
といっても狙いはハルカス単体ではなく、一列に並んだ月、金星、木星との絡みだった。
この3つの星の並びは、おとといから狙っていた。
おとといの朝はほぼ快晴で、3つの星の並びがよく見えた。
しかし、月がかなり離れていて、写真に撮っても絵にならなかった。
きのうは星の並びが最もいいと思われたが、天気が悪かった。
ということで、けさ満を持して出かけたというわけだ。
ハルカスと星の絡みを撮るためには、岸和田駅を始発電車で出ないといけない。
朝4時40分に起きて空を見ると快晴で、東の空にも雲はかかっていない。
3つの星がきれいに見えた
ここでちらっと「保険のため部屋から撮っておくか」と思ったが、時間的に厳しいのと、「岸和田で晴れているなら、大阪市内は問題ないだろう」と思ってやめた。
始発電車に乗り、新今宮駅で降りる。
駅を出て空を見上げると、ハルカスの上空に厚い雲がかかり、星はまったく見えない。
あらかじめ調べておいた天王寺動物園の北の撮影ポイントに着いても、空の状況は変わらない。
「こんなときに雲がかかるなんて、俺はなんて行いが悪いんだ。こんなことなら岸和田で保険をかけておくんだった」と後悔した。
それでも粘っていると、後ろから「何を撮ってはるの」と声がかかった。
振り返ると、近くのマンションの管理人をしているおじさんだった。
「ハルカスです。実は月、金星、木星が並んでいるんです。あの雲の向こうに。私は行いが悪いんですね」と答えた。
するとおじさんは「私も行いは悪いですよ。あなただけじゃありませんよ」と言ってくれた。
「じゃ、2人の行いが悪いということにしておきましょう」と私。
おじさんが半分肩代わりしてくれたからか、その後、雲の切れ間から月と金星が見えた。
木星は並びが少し離れている上、金星ほどには明るくないので見えなかった。
私の行いの悪さも、気さくなおじさんの助けによって、少しだけ大目に見られたような気がした。
6時37分。空が白み始め、「もう星は撮れない」とあきらめかけた
おじさんと話をしたあと、ほんの少しの間だけ、月と金星が見えた
日の出の時刻(きょうは午前6時57分)を10分ほど過ぎたころ、ハルカスの上の雲がピンクに染まった