狙い球を打ち損じてポテンヒット

先日、通勤で使っている南海電車から六甲山を見た。
毎日のように見ている風景なのだが、その日は朝日に照らされて、尾根と谷がくっきりと見え、普段とはまったく違った美しさを感じた。
そんな六甲山を撮りたいと思った。
けさはきのうの雨が上がり、すっきりとした青空が広がった。
「きょうしかない」と思い、海越しの六甲山を撮りに行った。
場所は数日前に夕刻の関西国際空港連絡橋を撮った二色の浜の少し西にある海岸。
ほぼ日の出の時刻(午前636分)に海岸に着く。
早朝だというのに海岸には大勢の釣り人がいる。
釣り人から「このおっさん何しに来たんだ」という視線を向けられながら、お目当ての六甲山を見る。
これが予想に反して遠く、霞んでいる。
おまけに六甲山の山並みが高さの割に東西に長く収まりが悪い。
「地図で見て検討したのは何だったんだ、見込み違いもいいところだ」と思いながら周辺を見る。
すると天気のいい朝だけあって、けっこう絵になるものがある。
180度を超える角度で海が広がっているのだから当然といえば当然か。
ますまずの写真が撮れた。
野球でいいえば、狙い球を打ち損じてポテンヒットで出塁したような気分だ。
私の力では、常時クリーンヒットを打つことはできない。
ポテンヒットでも十分だ。
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埋め立て地に架かる橋を渡ってから対岸を見た。朝焼けを背景にして、工場がいい感じで煙を上げていた。写真中央右の山は、大阪府の最高地点がある金剛山
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海岸から和歌山県との県境の山を見る。清少納言が『枕草子』に「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。」とつづったのは、こんな光景かな。今は春じゃないし、平安時代に高速道路はないけれど
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海岸から撮った六甲山。空に点々と雲が浮かんでいて、一応格好にはなっているが
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先日も撮った関西国際空港連絡橋の上に、取ってつけたような雲がかかっていた。朝日を受けて部分的に赤く染まった