夜のイチョウ並木で感じた「個性」

今夜、知人との約束があり、私は仕事が終わったあと中崎町から梅田へ向かって歩いていた。
競艇の場外舟券売り場「ボートピア梅田」の前を通りかかったとき、黄色く色づいたイチョウが目に入った。
周りを見ると新御堂筋沿いにイチョウ並木が続いていた。
時間がなかったので、撮影も観察も十分にはできなかったが、色づいているイチョウもあれば、緑のままのイチョウもあり、木いっぱいに葉をつけているイチョウもあれば、枝にまとわりつくようにほんの少し葉をつけているイチョウもあった。
多分、これはイチョウの「個性」なんだろう。
以前、花見シーズンのニュースで、「サクラ並木でも木によって咲き方が違うのは、その木の個性です」と伝えているのを聞いたことがある。
そして、最近、花見のサクラの主役であるソメイヨシノは、日本全国のどの木でも遺伝子が同じであることを知った。
なんでも、ソメイヨシノは人工的な交配によって生まれた品種で、種子によって繁殖することができず、人の手による接ぎ木で繁殖するしかないという。
すなわちソメイヨシノの木は、最初の1本と同じ遺伝子を持つクローンだということだ。
そんなソメイヨシノでも個性があるのだから、ギンナンで繁殖するイチョウに個性がないはずがない。
通りに並ぶイチョウが個性をひけらかすようにそれぞれが違った姿をしているのを見ると、「けっこう自己主張の強いかわいいやっちゃな」と思えてくる。
子どもの教育で個性を大切になどというが、個性を大切にしているのは人間だけではないようだ。
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ボートピア梅田の入り口のすぐそばにあるイチョウ。この木は「俺の個性はたくさんの葉と強烈な色づきだ」と主張したいのだろう
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通りは掃除が行き届いていて落ち葉はほとんどない。それだけに、たまに落ちている葉が寂しげで、去りゆく秋と冬の訪れを感じさせる