きょうの仕事帰り、いつもの道を歩きながら、ふと後ろを振り返ると、東の空に虹の端が見えていた。
それだけでは絵になりそうにないので、スマホでそれからの天気を調べた。
午後6時からの降水確率が60パーセントで、7時には雨のマークが消えていた。
「しめた。これは虹を見るのに絶好の天気だ。60パーセントの確率で虹が撮れる」と思い、勤務先のマンションに戻って屋上に向かった。
しかし…。
屋上でスタンバイし、10分ほど経過したころ、スマホで天気予報を見ると、午後6時の雨のマークは消えていた。
「確率が60パーセントからいきなり0パーセントかよ。そんな殺生な…」と思った。
虹が撮れる見込みはほぼなくなった。
だからといって、屋上からすごすごと下りるわけにはいかない。
仕方なく西の空を見ると、雲は厚めながらも、染まりそうな気配を感じ、狙いを夕焼けに変えた。
これが功を奏し、期待以上の夕焼けを見ることができた。
「虹に捨てられ、夕焼けに拾われた。捨てる神ありゃ拾う神ありとはよくいったものだ」と思いながら撮影した。