きのうの夕方、勤務先のマンションの廊下を歩いていたら、壁に黒い点が付いているのが目に入った。
近づいてよく見ると、それはアブラゼミだった。
そのアブラゼミは命が尽きようとしているところだったようで、「ジ、ジ、ジ」と途切れ途切れにしか鳴かなかった。
コンクリートだらけのマンションの片隅で最期を迎えるのはかわいそうだと思ったが、そのままにしておいた。
「君がここを死に場所として選んだのならそれでいい。地上に出てからは短い間だったんだろうが、お疲れさま」と心の中で声を掛けて仕事を続けた。
きのうの夕方、勤務先のマンションの廊下を歩いていたら、壁に黒い点が付いているのが目に入った。
近づいてよく見ると、それはアブラゼミだった。
そのアブラゼミは命が尽きようとしているところだったようで、「ジ、ジ、ジ」と途切れ途切れにしか鳴かなかった。
コンクリートだらけのマンションの片隅で最期を迎えるのはかわいそうだと思ったが、そのままにしておいた。
「君がここを死に場所として選んだのならそれでいい。地上に出てからは短い間だったんだろうが、お疲れさま」と心の中で声を掛けて仕事を続けた。