きょうは隔週の土曜出勤の日だった。
午後はいろいろなことがあり、南海電鉄の天下茶屋駅に着いたのは午後5時半を回っていた。
たまたまやって来た「空港急行」に乗った。
空港急行は大阪市と関西空港を結ぶ主要な足で、普段は大きなスーツケースを携えた外国人が大勢乗っている。
特に始発駅である難波駅の改札に近い最後尾の車両に、そうした乗客が多い。
私はいつもその車両に乗って、中国人旅行者の話に聞き耳を立てている。
その車両はいつも混んでいて、早朝と深夜を除くと、天下茶屋駅で座れることは皆無だといっていい。
ところが、きょうは…。
電車に乗って座席を見たら空いていた。
そこに座って、周りを見た。
最後尾の車両にスーツケースは1つもなかった。
普段は岸和田駅で下車するが、この先どうなるのか気になって、少し乗り越した。
関西空港への線路の分岐点である泉佐野駅で大半の客が降りて、乗客は私を含めても3人だけで、車内はがらがらになった。
きょうの電車は平常時と比べると、別の路線、別の電車だとしかいいようがないほどの違いがあった。
新型コロナウイルスの対策の一環である入国制限の影響が、ここまで深刻だとは思わなかった。
仕事や生活がままならない人も大勢いるだろう。
一日も早い終息を祈る。