中国の正月である「春節」が近づいてきた。
今年は1月25日で、中国ではもう仕事どころではなくなっているだろう。
いつもより1日遅れとなったきょうの天神橋筋商店街詣で、どうせならひと足早く中国流の年越しをしようと、どこに行こうかと考えた。
そのとき、天4(天神橋筋四番街)に中国料理の店があることを思い出した。
本格的な中国料理の店に1人で入るのはそれなりに勇気がいるが、あえて「年越しなんだから」と考えて腹をくくった。
店で応対してくれたのは若い女性だった。
言葉から中国人であることがすぐにわかったので、中国語を交えて少し話をした。
「中国のどこの人?」
「河南省です。開封という町の出身です」
「へえ、開封といえば古都として有名だよね。もうすぐ春節だけど、ふるさとには帰らないの?」
「時間が取れなくて帰れないんです」
「そう、それは残念だね。ところで、料理人はどこの人?」
「同じ河南省です。料理人は私の父です」
「えっ、そうなの。じゃあ、ふるさとに帰らなくてもいいじゃない。中国では両親のいるところがふるさとだっていうもんね」
「そうですけど、中国と日本の年越しは違うし、親戚や友達にも会いたいんで、帰りたいという気持ちは強いですよ」
思いがけず、中国の人の春節への思いの一端に触れることができた。