9月も半ばになって、秋分まであと10日余り、日が暮れるのが早くなったと実感するようになった。
仕事終わりで写真が撮れる時間も限られてきた。
あまり遠出はできないので、きょうは先週の土曜日に続いて西成へ行った。
狙いはやはり猫だった。
地下鉄の動物園前駅から出て、「さて、どこへ行こうかな」と歩き始めるとすぐに、車の下をのぞき込むようにして「大五郎、大五郎」と呼んでいるおばちゃんを見かけた。
猫に違いないと思い、私もしゃがんで車の下を見た。
1匹の猫が寝そべっていた。
ほふく前進のような格好で大五郎の写真を撮った。
写真を撮り終えて立ち上がると、近くにいたおっちゃん数人のうちの1人が声を掛けてきた。
「このへんには猫がけっこうおるよ。あんたみたいに、猫を目当てに来る人も多いよ」
そうこうするうちに、大五郎が車の下から出てきて、別の猫に近づいていった。
おっちゃんが「この猫はミーちゃんや。ミーちゃんは大五郎が子猫のときからずっと世話してきた。2匹が一緒にいると『子連れ狼』みたいやったんで、子猫の名前が大五郎になったんや」と話してくれた。
このあたりの人は猫を飼うのではなく、餌や水をやりながら適度な距離を保っている。
猫も人に尻尾を振るようなことはしない。
人と猫が共存している。
そんな感じがした。