幕は夜明けとともに開く

けさのあべのハルカス方面

けさ早く目が覚めて外を見たら、微妙な雲が広がっていた。

薄そうでもあり、厚そうでもあり、切れ間がありそうでもあり、なさそうでもあり…。

天気予報を見ると、朝のうちは晴れのマークがあった。

「こりゃ朝焼けを撮りに行けってことだな」と思い、あべのハルカスを見上げる高速道路の高架下へ行った。

しかし…。

 

東の空、いや空全体の雲が厚く、朝焼けなど望むべくもないという状況だった。

帰るに帰れず、空しくあべのハルカスを見上げ続けた。

やがて日の出の時刻になり、「引き揚げるとするか。このタイトルは『ここまで裏切られるのも珍しい』だな」と思い、機材を片付けようとした。

ところが…。

 

ふと南の空を見ると、雲が筋状に広がり、それが北、すなわちあべのハルカスの方に向かって少しずつ流れていた。

しばらくすると、その雲があべのハルカスの上空にかかり、面白い光景を見せてくれた。

けさのショーは染まらない空が舞台で、日の出の時刻から始まったといっていい。

幕は夜明けととともに開く、そんな朝だった。

スタンバイしたのは日の出の時刻(きょうは午前6時23分)の20分ほど前だった。条件がよければ空が赤く染まる時間帯だが、そんな気配はみじんもなかった

日の出の時刻の少し前。「これじゃどうにもならんよ」と嘆きたくもなるような空だった

筋状の雲が次々に流れてきた

空が明るくなると、濃淡がはっきりして、雲の目覚めだなという光景になった