日生の代名詞「カキオコ」を食す

きのう在来線の列車を乗り継いで帰省する際、相生から赤穂線を利用したのはある目的があったからだ。
それは日生(ひなせ)の「カキオコ」を食べることだった。
日生は岡山県の瀬戸内海沿岸の最も東に位置する漁業の町で、カキの養殖も盛んだ。
カキオコは1960年代に高い肉の代わりに安いカキをお好み焼きに入れたのが始まりだとされ、2000年代に入って町おこしに活用されて、今では日生の食の代名詞となっている。
どうせ食べるなら評判の店でと、日生で有数の人気店である「浜屋みっちゃん」に行った。
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日生は漁業の町。浜屋みっちゃんも港のすぐ近くにある
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きのうは午後3時までの営業と聞いていたので、空いている時間にと2時すぎに店へ行った。しかし、店の前には約20人が列を作っていた。数人のグループのうちの1人が並んでいる場合もあるので、私の前で待っていた人は30人を超えていただろう。店は狭い道に面し、北向きなので、日が当たらず寒い
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私の後ろにも数人が並んでいたが、諦めて帰ってしまい、結局、私はこの日の最後の客になった。私の順番が来たときには、店の入り口にかかるのれんははずされていた
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この人が「みっちゃん」。この人気店を支える大黒柱だ
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私が注文したカキオコ(1000円)。大ぶりなカキが10個以上入る
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待望のカキオコが私の前に運ばれた。店に着いてから2時間が経過していた。初めてカキオコを食べたが、カキの味がソースで消されていると感じた。長時間並んで食べる価値があるかどうかと聞かれたら「?」と答えざるを得ない
 
最後の客である私のカキオコを焼き終わると、みっちゃんは大きく息をつき、「みんなのおかげで、きょうも無事終わった。ありがとうね」と言った。
お好み焼きを焼いているときは、忙しさからかとげとげしい印象があったが、実は優しいおばあさんだった。
そして、「やっぱりな、年とともに仕事がきつうなる。きょうは子どもと孫が手伝いに来てくれると言うとったんじゃけど、何の連絡もないし、来もせん。じゃけど仕方ないわな。血がつながっとるんじゃけえ」と笑いながら話していた。
みっちゃんのこうした人柄も、この店の人気の秘密なんだろう。