あるアオスジアゲハの死

f:id:sanchan60:20210907200748j:plain

地面に舞い降りて羽をばたつかせていたアオスジアゲハ

きょうの仕事帰りに、東大阪市役所の北にある公園へ行った。

セミの声がほとんど聞こえなくなり、コオロギと思われる虫の声があちこちから聞こえた。

季節は夏から秋へと歩を進めている。

 

園内を見回したところ、1羽のアオスジアゲハの姿が目に入った。

動きが明らかに変だった。

木にしがみつくようにしていたかと思うと、急降下して地面に下りた。

死を目前にしていることがすぐにわかった。

「地面に横たわるようにして死を迎えるんだろう。看取ってやろう」と、その姿を追いかけた。

しかし、地面から飛び立ち、木の上の方に行ってから見失った。

 

かなりの時間が経過して、近くの草むらで1羽の鳥が獲物を捕まえたのが見えた。

鳥がくわえていたのがアオスジアゲハだった。

鳥は木の枝に止まり、獲物をむしゃむしゃと食べ始めた。

アオスジアゲハは死を目前にして動きが鈍ったところを狙われ、あえなく最期を迎えた。

鳥の餌になる。

それがチョウの定めなのかもしれない。

私が見たのは、あるアオスジアゲハの死でしかないが、生き物の定めを目の当たりにして妙に悲しくなった。

f:id:sanchan60:20210907200957j:plain

木にしがみつくようにしていたアオスジアゲハ