思い出はモノクロームその11 味わい深い断層の坂道

今年の1月初めに飛田新地の「嘆きの壁」から続く「上町(うえまち)断層」を少しだけ歩いた。

きのうの午後、天王寺動物園の少し北にある住宅街を歩いていて、断層の続きと思われる場所に出くわした。

断層を上り下りする坂道に名前がついていた。

周辺には神社や仏閣が点在し、味わい深い街並みになっていた。

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断層の坂を利用したと思われる神社の階段。「大江神社」の「百歳(ももとせ)の階段」というらしい

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101段の階段を上り切ると神社の建物が見える。聖徳太子が創建したという由緒正しい神社だ

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少し南に行くと「愛染坂(あいぜんざか)」がある。坂の上に「愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)」という寺があり、この名がついたという。

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さらに南に足を延ばすと、「清水坂(きよみずざか)」に行き着く。「新清水清光院(しんきよみずせいこういん)」という寺に上る坂という意味だ。幅が広く傾斜が緩やかで、堂々とした風格を感じる

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坂の途中の壁にこんな大きな石がはめこまれていた。石に刻まれた「以他力造立」は、現代の中国語で「この人の力で建造された」という意味になるが

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このあたりの断層のハイライトは、「安居神社(やすいじんじゃ)」だ。豊臣と徳川が雌雄を決した慶長20(1615)年の大坂夏の陣のとき、豊臣方の真田幸村がここで戦死した。この神社に上がってそれを知り、坂を撮ろうと思ったのだが、北から引き返しながら撮っているうちに拝観時間を過ぎてしまった

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北側も階段になっている

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神社の北側の階段を下りると「天神坂」がある。安居天神へ通ずる坂道なのでそう呼ばれている。京都の街を思わせる石畳の坂道だ