きのう通天閣を見に行く前に、飲食店が立ち並ぶエリアの路地に入って猫を探した。
残念ながら猫の姿はなかったが、打ち捨てられた飲み屋街を見つけた。
そこには少し前まで昔ながらのスナックが並んでいたと思われるが、今はうらぶれた姿をさらしている。
そこに1本の木が立っていた。
よく見ると、その木は「ザクロ」で、あの特徴的な実をたくさんつけていた。
ザクロの実は、中にまるで宝石のような粒を抱えている。
それにあやかろうとして、誰かが植えたのかもしれない。
飲み屋の灯は消えても、ザクロは店が繁盛していた当時と変わらぬ姿で立っている。
中国で詩聖と称される杜甫のような感性は持ち合わせていないが、「飲み屋破れてザクロあり」と詩を詠みたくなった。