きのう天神橋筋商店街へ行く前に、いつものように大阪天満宮に寄った。
ただ、いつもと違っていたのは、事情があってちゃんとしたカメラを持参していなかったことだ。
今どきのスマホならなんとかなるだろうと思っていた。
祠の前に行ってみると、顔なじみの黒猫がいた。
神社の人が境内を掃き清めたあとだったらしく、黒猫は時代劇によく出てくる奉行所の「お白州」で裁きを受けているように見えた。
黒猫は心なしかうつむき加減で、かしこまっていたのかもしれない。
そこで、私が大岡越前に成り代わって、名奉行ぶりを発揮した。
「おい黒猫、そちは常々、祠を我が物顔で歩き回っておる。神をも恐れぬふらちな所業なれど、みどもの遊び相手となるは大儀である。よって無罪放免といたそう」
そんなところかなと思いながら、スマホのシャッターを押していると、黒猫は「かたじけねぇ」とばかりにどこかへ消えてしまった。