茶臼山つわもの宿る彼岸花

けさ起きて外を見ると、抜けるような青空が広がっていた。

「せっかくの青空だ。空と何かを絡めて撮りたいな」と思った。

空の高さを表現するなら高い建物がいいと考え、茶臼山から通天閣を狙うことにした。

 

行ってみて驚いた。

山頂(といっても標高は26メートル)のすぐ下に「彼岸花ヒガンバナ)」がたくさん咲いていたのだ。

彼岸花はこの季節に咲くのでその名があるが、語感と血のような赤い色から「死」を連想させる。

 

茶臼山は江戸時代初期の徳川と豊臣の最終決戦「大坂の陣」ゆかりの地だ。

1614年の大坂冬の陣では徳川家康の本陣となり、翌年の大坂夏の陣では真田幸村の本陣となった。

そして、夏の陣では「茶臼山の戦い」の舞台となって、多くの戦死者が出た。

 

茶臼山彼岸花を見ながら、戦いで亡くなった兵士の魂が花に宿っているような気がした。

そこで慣れない俳句を一句。

茶臼山つわもの宿る彼岸花

おそまつ…。

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茶臼山の赤い彼岸花。死と関連付けて考えていると、傍らに倒れている石柱も墓標のように見えてくる

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彼岸花はやはりこの血のような赤だよな」と思っていた

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ところが、近くに白(正確には薄いクリームイエロー)の彼岸花が咲いていた。赤以外の彼岸花を見たことがなかったので驚いた。数はこちらのほうが多いくらいだった

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白は白で美しいが、「なんかイメージ違うんだよな」という思いは拭えない

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ピンクの彼岸花もほんの数輪咲いていた

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茶臼山から見た通天閣。これじゃ空の高さは表現できない。ここに来た当初の目的は達することができなかった