きょうは将棋の叡王戦第5局の対局があった。
タイトル保持者の藤井聡太叡王と挑戦者の伊藤匠七段が運命の大一番といわれた最終局に臨んだ。
藤井叡王は八冠を独占する言わずと知れたスーパースターだ。
「なんのかんのいっても、藤井八冠の防衛なんだろう」と思いながら、仕事の合間に中継を見ていた。
中盤で藤井八冠が有利になったときは、「やっぱりな」と思った。
しかし、仕事が終わって帰ろうかというころには、風向きがかなり怪しくなっていた。
両者の残り時間を考えると、普段通り家に帰ったらすでに勝負がついているかもしれないと思った。
勝負の流れから藤井八冠が負けるのではないかと思い、その歴史的瞬間が見たくて、地下鉄の長田駅に近い「やよい軒」へ行き、スマホの中継から目が離せない状態で夕飯を食べた。
で、勝負の行方はというと、藤井八冠が伊藤七段に敗れ、八冠陥落となった。
店から出て、地下鉄の駅のホームでスマホを見たら、すでにそのニュースがアップされていた。
やはり歴史的瞬間だったのだろう。
話が長くなるが、将棋の棋士の中で最も印象に残るのは誰かと聞かれたら、私は間違になく升田幸三と答える。
その破天荒な人生には憧れすら感じる。
今の将棋はAIが強くなりすぎて、棋士はAIの手先のようになっているといっても過言ではない。
升田幸三のような強烈な個性は望むべくもない。
藤井聡太八冠に対しても、「強いことは認めるけど、人間として面白みがないよな」と思っていた。
一冠を失った藤井七冠が、リベンジに燃え、人間臭さを全開にしてくれることを期待している。