きのうの夜、マンションで月1回の会議が開かれた。
当然、私も出席しなければならない。
協議すべき案件が多く、終わったのは午後10時、西成に帰り着いたら11時を回っていた。
街を歩きながらふと、「しらふの状態でこんな時間に街を歩くなんてめったにないことだ。深夜の街にいる猫を探そう」と思った。
松乃木大明神の周辺や商店街などを歩き回った。
しかし、さすがに家の外に猫はいなかった。
「こんな時間に猫を探すことに無理があるんだな」と思い、帰ろうとしたとき、あるビルの玄関にソファが置かれているのが見えた。
その赤いソファの上に黒いものがあり、よく見ると猫だった。
玄関は暖かいようで、猫はぐっすりと眠っていた。
微動だにしないその姿は、室内に置かれた猫の置物のようだった。