おとといの日曜日に西成の街を歩き回って、1本30円の缶コーヒーを見つけた。
その缶に書かれていた「ご安全に」の文字が気になった。
賞味期限切れ直前だったので、「これを『ご安全に』飲んでください」という意味かなと勘ぐっていた。
ところが、きのう大学の山岳部時代の後輩からメールをもらって驚いた。
そこには「北九州市の新日鉄に仕事で行ったとき、関係者が『ご安全に』とあいさつしているのを見ましたよ。それだけでなく、建設業界でも同じあいさつが交わされているそうです」と書かれていた。
「ご安全に」は、命の危険と隣り合わせで働く現場ならではのあいさつといってよさそうだ。
「へぇ~」と思いながら調べると、面白い事実が出てきた。
「ご安全に」の缶コーヒーのメーカーは、東京に本社を置く「チェリオジャパン」で、日本の鉄鋼業界を応援しようと、「鉄」シリーズの飲料を販売しているという。
第1弾は2018年4月発売の「エナジードリンク『鉄魂』」、第2弾が2019年3月発売の「メロンサイダー『鉄の絆』、そして第3弾が2020年4月発売の「『鉄魂』ブラックコーヒー」というわけだ。
鉄鋼業界のあいさつ言葉である「ご安全に」の文字は、この3本のラベルすべてに書かれている。
そして鉄鋼業界応援飲料なので、缶は「鉄製」ということなのだろう。
チェリオジャパンはなぜそんな飲料を作る気になったのだろう。
ユニークなメーカーだ。
チェリオの自販機を見ると、「安いだけのマイナーな飲料だな」と思っていたが、がぜん興味がわいてきた。
自販機の中には、面白い物語がたくさん詰まっているのかもしれない。