私が管理人をしているマンションの敷地には、人工的に造られた水の流れがある。
それは「せせらぎ」と呼ばれ、住民の憩いの場になっていた。
と過去形を使うのは、漏水が発生したため、去年の秋から水が止められていて、ただのコンクリートのへこみになってしまっているからだ。
それがきのう復活した。
といっても漏水を修繕して元に戻したわけではなく、きのうの激しい雨で、一時的に水が流れただけの話だ。
悪天の中でせせらぎを眺める人は皆無だったが、水が流れるとせせらぎの顔が立つような気がした。
それぞれの場所に、そこにふさわしい姿があるんだなと思った。