きのうの仕事帰りにいつもの西成の商店街へ行き、昼めしを食おうと店を探した。
そこで見つけたのが「沙県小食」の看板を掲げた店だった。
沙県小食は中国では「沙県小吃」と称している。
中国語の「吃」が「食べる」という意味なので、日本では「食」の字を使ってるのだろう。
沙県は中国の福建省にある町の名前で、小吃は軽食という意味だ。
その成り立ちはよくわからないが、実際には気軽に入れる食堂といったイメージだ。
私は上海で暮らしていたときだけでなく、中国を旅行したときもよく沙県小吃の店を利用していた。
値段が安く、味もまずまずなので、重宝していた。
ということで、西成の沙県小吃でもそれなりの期待を抱いて店に入った。
で、この沙県小吃の店で、本場の中国の雰囲気に浸った。
店を切り盛りしていたのは、愛想の悪いおばさんだった。
やはり福建省の人だという。
飲食店の店員の態度がよくないのは、中国ではそれほど珍しいことではない。
私の後から来た客も中国人のようで、私にはまったく聞き取れない言葉で話をしていた。
福建省は方言のるつぼといわれる地域で、同じ省の人でもうまく会話ができないことがよくあるので、私が聞き取れないのは当然だ。
そして、やがておばんさんの息子とおぼしき若者がやって来た。
買い物を届けたようだが、早速、親子で口げんかを始めた。
これも中国でよく見る光景だ。
言い方がきついだけで、けんかではないのかもしれない。
なんだか中国にどっぷり漬かったようで、うれしくなった。
料理の味とか値段とかは別にして、また行きたい店だ。