中国の庶民の味なら

きのうの夜、宗右衛門町からの帰りに寄った店

きのうの夜、宗右衛門町でひとしきり写真を撮ったあと、「せっかくだから、この街で何か食べて帰ろう」と思い、店を探した。

しかし、私の懐具合で入れそうな店は見つからず、道頓堀川を渡って地下鉄の日本橋駅へ向かった。

 

川の南の道を歩きながら、「へえ、こんなところにね」という店を見つけた。

そこのメニューには、中国で暮らしていたころに食べた料理が並んでいた。

店の名は「恒源小吃」。

「中国の庶民の味なら、なんとかなりそうだ」と思い、店に入った。

店はカウンター席と椅子席がある。中国でカウンターのある店を見ることはほとんどないので、居酒屋だった店に居抜きで入ったのだろう

せっかくだからと「青島ビール」(税込み550円)を飲んだ。ちょっと高いが仕方ない

料理は「小米粥套餐」(税込み580円)を注文した。小米は粟(アワ)、粥は当然かゆ、套餐は定食の意味で、「粟がゆ定食」ということになる。明らかに朝のメニューだが、この店では群を抜いて安い定食だった

卵とモヤシがついていて、「これはつまみにもってこいだな」と思いながら食べていたが、ふと「これは、こんな食べ方をするもんじゃない」と気づいた

卵とモヤシは、本来、かゆにトッピングするものだ。こうして食べると、単調なかゆも味の幅が広がる

かゆとセットになっていたのは、あんのない「饅頭(マントウ)」だと思っていたが、2つに割ると、中に肉のあんが入っていた。日本でもポピュラーな「肉まん」だ。あんは日本のものとは少し違っていて、「本場の味はやっぱりうまいや」と思った

恒源小吃の客の多くは中国人のようだ。

私が店に入ったときも、中国語で声をかけられた。

結局、店で日本語を話すことはなかった。

 

私が帰ろうとしたとき、夫婦とおぼしき2人が入ってきて、「中国の朝食が食べたい」と言っていろいろと聞いていた。

中国からの観光客のように見えた。

また、店員の一人が電話で話しているのが聞こえたが、「30日のチケット」と言っていた。

おそらく知り合いが日本に来るのだろう。

日本橋駅に近いホテルの前を通りかかったときには、中国人の団体観光と思われる一行が中に入っていった、

新型コロナの水際対策が緩和されたばかりだが、中国人の訪日は順調に回復しているようだ。