おととい、中国の友人から電話があった。
ふるさとである陝西省の西安郊外に帰省し、1週間ほど前に新型肺炎が怖くて外出もできないと泣きを入れてきた友人だ。
電話での話は「中国では新型肺炎の影響で、マスクが飛ぶように売れ、今は買うことができない。日本で買って送ってくれないか」というものだった。
私は「マスクくらいなら安いものだ。ここは一肌脱ごうじゃないか」と思い、「なんとかするよ」と返答した。
ところが…。
いつものマスクのコーナーが見当たらない。
店員に聞くと、「売り切れです。いつどれくらい入荷するかもわかりません」と言われた。
近くのコンビニも売り切れだった。
「あした大阪市内に出ればなんとかなるだろう」と考えて、この日は引き揚げた。
そして、きのう。
天神橋筋商店街を北から南へ歩き通したのは、マスクを買うためだった。
歩きながら薬局を見れば入って、マスクの有無を聞いた。
返答は前日の薬局とほぼ同じだった。
ある薬局で聞いたところ、「1週間ほど前からこんな状態になっています。入荷するにしても、5枚入りの袋が5つか6つ来るだけです。それもあっと言う間に売れてしまいます」という話だった。
薬局を3軒ほど回ったところであきらめたが、「こうなったら意地だ。アーケード街の薬局をすべて訪ねてやろうじゃないか」と思い、むなしく歩き続けた。
訪ねた薬局は12軒に達した。
で、帰りに友人に連絡し、日本でもマスクが買えないことを伝えた。
すると友人は「なんとかこっちで買えた。ただ、1枚が7元(約100円)を超えた。100枚買ったので、700元(約1万円)以上の出費になったよ」と嘆いていた。
「じゃあ、別の人に1枚10元で売ればいいじゃないか」と私が言うと、「それはいいアイデアだ。考えておくよ」と笑っていた。
おいおい、笑っている場合じゃないよ。
買えたんなら、その時点で連絡してこいよ。
いやはやグローバルな時代だね。
中国の新型肺炎で、私がとんだとばっちりを受けることになろうとは…。