きょうの仕事帰りに、地下鉄の南森町駅から南に向かって歩いた。
狙いはこのところ時々追いかけている猫だった。
しかし、猫は1匹も見つけることができず、そのうちに中之島公園に行き着いた。
そこで思いもかけない動物に遭遇した。
中之島の南側を流れる土佐堀川沿いを歩きながら何気なく川べりを見たところ、何かが動いていた。
「猫かな。でも猫はこんな川のほとりにはいないはずだけど」と思いながら近づいた。
よく見るとそれは「ヌートリア」だった。
大阪のど真ん中といえる中之島でヌートリアを見て、昔のことを思い出した。
私は岡山県児島郡藤田村で生まれ育った。
そこは児島湾干拓地の一角で、広大な田園地帯だった。
子どものころ、田んぼや用水路でたまにヌートリアを目撃することがあった。
子ども心に「でっかいネズミだなあ」と思っていた。
このヌートリアは稲を食い荒らすことから「害獣」とされ、ヌートリアを退治して尻尾を役場に持っていくと500円の報奨金がもらえた。
近所の悪ガキの中には、ヌートリアをたたき殺して小遣い稼ぎをするやつもいた。
私がヌートリアを見るのは約50年ぶりとなる。
そうしてみると、時がたつのは速いものだ。