なんとも奇っ怪で、なんとなくうまい

先日、南海電鉄天下茶屋駅の近くにある「すき家」に寄った。

このところ物入りで節約を強いられ、「安くてうまくて腹が満たされる」という条件で考えると、夕食はたいてい牛丼店になる。

ただ、いつも牛丼というわけにはいかないので、それ以外の料理を頼むことも多い。

 

この日、注文したのは「お好み牛玉丼」(520円)だった。

メニューにある写真を見ても、どんな料理かはっきりしない。

料理が出てきても、どのように食べ、どんな味がするのか見当もつかない。

「もう料理が出てきたんだから食べるしかない。まずかったら、それだけのことだ」とちょっと大げさに開き直った。

 

丼にはお好み焼きのようなものが入っており、卵とおかか、青のりが付いている。

お好み焼きと同様だとすると、卵、おかか、青のりの順になり、卵を割ってかき混ぜ、その上からおかか、青のりをふりかけた。

正直に言って、見た目は相当にひどい料理になってしまった。

 

ところが、これが意外にいける。

牛丼とお好み焼きが混然一体になったようで、辛子マヨネーズの辛子の味が効いている。

なんとも奇っ怪で、なんとなくうまい料理だった。

 

これを食べながら、「よくもまあ、こんな料理を考えついたものだな」と考案した人の頭の柔らかさに感心した。

牛丼チェーンのし烈な競争の産物なのだろうが、先入観にとらわれなければ、いろいろな新しい味が生まれるような気がした。

 

メニューには「お好み牛玉丼 キムチチーズMix」(680円)という、さらに得体の知れない料理が載っている。

想像できない味に出合う楽しさを知った今、次はこれを試さないわけにはいかない。

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すき家の「お好み牛玉丼」。どうやって食べたらいいかわからない。「取説」が欲しいくらいだ

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卵をかき混ぜ、おかか、青のりの順にふりかけた。これをうまいと思えるのは、たぶん日本人だけだろう