きょうの仕事が終わろうかというころ、なぜか「刺身で一杯やりたい」と思った。
そのつもりで、勤務先のマンションを出たのだが…。
外に出て空を見たら、暗い雲が広がっていた。
雨雲というより雪雲に近く、何かが起きそうな気がした。
西の空を見たところ、雲の切れ間らしきものがあり、「何かは虹かもしれないな」と思い、マンションの屋上に行き先を変えた。
しかし…。
屋上から見た西の空にははっきりとした雲の切れ間があり、「あそこに夕日が顔を出すまで撮って、その後は東の空の虹だ」と考えた。
これが捕らぬ狸の皮算用で、雲の切れ間に見えたのは光芒ばかりで、肝心の夕日はまったく顔を出さなかった。
「光芒が見たいわけじゃないんだけどな」と思いながら、暗くなっていく西の空を見続けた。