きょうも仕事が終わってから、勤務先のマンションの屋上に上がった。
「毎日のように同じことばかりしているな」と思いながらも、きょうはきのうより虹が見られる可能性が高いと思った。
日暮れ時に雨が降る予報で、西の空の低い位置に雲の切れ間があった。
屋上では「早く雨が降らないかな。早く夕日が差さないかな」と思いながら待った。
すると…。
日の入りの時刻の少し前に、生駒山の南に虹がかかった。
きのうより見える範囲が少し狭く、「虹がきょうはこれくらいにしといてやるわと言っているな」と思った。
そして、日の入りの時刻が迫り、これで打ち止めと思ったころ…。
生駒山の上に漂う雲が赤く染まった。
それにカメラを向け、ふと気づくと、赤い雲に紛れるようにして虹が姿を現していた。
「おいおい、雲のふりをしやがって。うっかり見逃すところだったよ」と思いながら、虹と赤い雲を撮り続けた。