きょう、仕事が終わってから西成まで戻り、「さて晩めしはどうしようか」と考えた。
いつものスーパー玉出は安上がりだが、少々味気ない。
営業している店も少なく、「成り行き任せだな」と思いながら、普段とは違う出口から地上に出た。
すぐ近くに「宮本むなし」という定食屋があった。
剣豪・宮本武蔵を小馬鹿にしたような店名に、「なめたことをしやがる」と小さな怒りを覚え、別の場所で何度も見ながら入ったことがなかった。
なにせ宮本武蔵は美作(今の岡山県の北東部)の出身とされ、わがふるさとの誇りなのだ。
しかし、きょうはとにかく腹が減っていた。
ほかの店を探す気力はなく、怒りを抑えて店に入った。
食べたのはショーウインドーで抜群の存在感を放っていた「ジャンボトンカツ」だった。