けさ、勤務先のマンションに向かう道で、「あれっ」と思うものを見つけた。
菊の花だ。
小さなアパートの階段の上り口に、色とりどりの菊の花が咲いていた。
菊は日本の秋の風物詩だといっていいが、最近はとんと見かけなくなったような気がする。
せっかくだからと昼休みに行って写真を撮っていたら、近所のおばさんとおぼしき女性が、「きれいな菊でしょう。撮ってあげて」と声を掛けてきた。
「この花を育てているんですか」と聞くと、「私じゃないわよ。このアパートに住んでいる男の人が大切にしているのよ」と言う。
小さなアパートに咲く菊の花。
それを大切に育てる男性。
菊がその男性の趣味の良さを物語っているようで、なんだかすてきな話だなと思った。