「カフェ」なんてしゃれた店ではなく、昔からの喫茶店といった趣だ。
そこそこの年齢のママさんが切り盛りしていて、中崎町の会社では社長がひいきにしている。
ママさんも野菜販売の日には必ず買いに来てくれるお得意さんだ。
きのうの昼休み、店の前を通りかかったら、ママさんが外にいた。
傍らを見ると「ヤエカシワバアジサイ」の花がこうべを垂れていた。
去年、岸和田市の蜻蛉池公園でこの花を見て、アジサイらしからぬその姿が印象に残った。
「これって珍しいアジサイだよね」
「そなのよ。花の色が白から緑へと少しずつ変わっていくのよ」
「今はちょっと黄色がかってるかな」
「少し前は真っ白だったんだけどね」
そんな話をして、めしを食いに行った。
帰り道、アジサイを見ると少し日が差していた。
せっかくだからと、ブドウの房のように垂れ下がった花を撮らせてもらった。