きのう、西成まで帰ってから、いつものように松乃木大明神へ行った。
猫の姿はなかった。
「寒いからな。仕方ないか」と思いながら帰り道を歩き、近くに最近建立された「関帝廟」に差し掛かったら、廟の前に西一がいた。
「こんなところにいるなんて珍しいな」と思いながら近づくと、西一はフェンスをくぐって廟の中に入っていった。
フェンスから乗り出すようにして中を見ると、西一は赤い光に照らされながら私をにらんでいた。
その姿は廟の神様に守ってもらおうとしているようで、「おいおい、そこは松乃木大明神とは神様が違うぞ」と思わず声を掛けた。