けさ、家を早めに出て、猫を探しながら歩いた。
中村食堂の近くの路地裏に入ったとき、見慣れない看板が目に入った。
そこには「秘密基地」と書かれていた。
その場所にはかつて古い家が立っていたが、ぼや騒ぎがあったあとしばらくして家が撤去された。
その後は木の塀が造られただけで、建物はいっこうに姿を現さなかった。
そこに「秘密基地」の文字。
それを見て、「いくら路地裏だといっても、これで秘密なのかよ。秘密といっちゃ秘密になんないだろう」と思った。
で、塀の隙間から秘密基地の中をのぞくと、板張りの床の上に机や椅子が並んでいた。
所有者が誰なのかわからないが、空を見上げながらゆっくりとくつろげる空間なんだろう。