けさ早く目が覚めて外を見たら、通天閣の上に赤い雲が漂っていた。
「ゆっくり寝ている場合じゃないな」とベランダに出た。
そこまではよかったのだが…。
レンズの交換に大いに手間取っているうちに、雲から赤みがすっかり消えた。
「とんだへまをしてしまった」と、それを取り返せるものはないかと空を見回した。
南の方にわずかな虹が見えた。
少し前に大きな虹を見たばかりで、「よし、きょうもあそこだ」と、家の近くにある上町断層の階段を駆け上がった。
残念ながら、丸く大きな虹はかからなかったが、地上から立ち上る虹を見ることができた。
通天閣にカメラを向けた際、レンズの交換がスムーズできていたら、それで満足して虹を見ることはなかっただろう。
こんなのをけがの功名というんだろう。