天恵と言わずして

けさ、勤務先のマンションの屋上から見た東の空

雲間に浮かんだ朝日

きのうからけさにかけて24時間勤務をした。

きょうの日の出の時刻は午前4時46分で、規定の仮眠時間内だ。

寝ていてもいい時間なら好きに使っていいだろうと、日の出前に屋上に上がった。

天気予報はきのうからひたすら曇り。

きのうは思いもしないような夕景を見ることができたが、「そううまく事は運ばないだろう」と、けさも空振りを覚悟していた。

 

屋上に上がり空を見渡すと、雲が広がっていた。

それでもきのうよりかなり薄い雲のようで、「なんとかなりそうだな」と思いながら、東の空を見続けた。

やがて雲の色が変わり始め、生駒の山の上が鮮烈な赤に染まった。

きのうの夕方に続いて見事な光景を目にすることができ、「これを天恵と言わずして何と言おう」と、またとないような巡り合わせに感謝した。

スタンバイしたのは日の出の時刻の30分ほど前。まず目を奪われたのが、比叡山の上の空だった

日の出の方角が北に寄っていて、真東にある生駒山の上は、青の下地に赤を散らしたように染まっていった。「こんなものなのかもしれない」と思っていたが…

やがて山の上が燃えるように染まり

鮮烈な赤が生駒山にかぶさるように広がった

日の出の時刻が近づくと、雲の色が淡くなった。予定通り撮影を中断し、10分ほど仕事をした

次の狙いは山から昇る朝日だったが、雲に阻まれた。午前5時を少し過ぎたころ、雲の切れ間から朝日が顔を出した

朝日が雲を通して街に差し、新たな一日が始まった