先日、四天王寺へ行ったのは、五重塔を見たいがためではなかった。
少し前に境内で桜を撮ったとき、桜の周辺に数匹の猫がいるのを見かけ、その猫を狙っていた。
しかし、五重塔を撮ったあと、境内を歩き回っても猫の姿はなかった。
諦めて帰ろうとして、「六時礼讃堂」という建物の前を通ったとき、1匹の猫が木の手すりに座っているのが見えた。
近づいてよく見ると、その猫は首に鈴を付けていた。
近所の猫が来る時間ではないし、寺が飼っているとも思えない。
「おまえは元飼い猫か? 捨てられたのか、それとも家出したのか。いずれにしてもいい居場所を見つけたな」と思いながら、猫にカメラを向けた。