いつものように黒猫を探したが、姿は見えるものの、これぞという場所にはいなかった。
河岸を変えようと、近くの星合池に行ったところ、池を渡る橋のすぐ脇に1羽のサギ(アオサギ)がいた。
かなり人に慣れているようで、手を伸ばせば捕まえられるんじゃないかと思うほど近くに寄れた。
このサギは2週間前に来たときもいたと思う。
そのときは池に浮かぶ島のような場所で獲物を探していた。
島の上には亀の置物があり、「鶴と亀」のようでもあった。
たまたま神社の人が通りかかり、私に聞いた。
「あの鳥はなんという名前ですか」
「たぶんアオサギだと思います。見た目は鶴と亀みたいで縁起がよさそうですが、『サギ』って名前がどうもね」
「でも、サギってのは人が勝手につけた名前で、鳥は自分の名前だとは思っていませんよ。珍しい鳥が来たってことは、いずれにしても縁起がいいんですよ」
おっしゃる通りだ。
神社の人はさすがにいいことを言うもんだと感心した。