きのうの朝、いつものように地下鉄の動物園前駅で電車に乗ろうと、改札をくぐってホームに続く階段の上に差し掛かった。
そこに一人の中年の男性が立っていて、壁をじっと見ていた。
何かなと思って私も壁を見たら、そこには「時の人」の写真があった。
それは昭和50年に東京都内で発生した連続企業爆破事件の犯人とされる桐島聡容疑者の写真だった。
この容疑者を名乗る男が先月、突然現れ、世間は大騒ぎとなった。
そしてその男はほどなくして病死した。
「事件から50年近く、彼は何をしていたのか」「事件後すぐに逮捕されていれば、とっくに刑期を終えて社会復帰していたはずだ」などとさまざまな報道が飛び交った。
そんなことが頭をよぎり、「時の人との遭遇だな」と思いながら、写真の写真を撮った。