じっと身を潜め

けさ、天王寺公園の木の下にいた藤吉郎

けさはまだ暗いうちに家を出て、新世界へ行った。

きのうの夜から降り続いた雨が上がったばかりで、うまくすると通天閣の上に虹がかかるんじゃないかと思っていた。

しかし、東の空を厚い雲が覆い、朝日が差す気配はまったくなく、虹を見ることはできなかった。

 

ということで、雨に濡れた梅でも撮るかと、天王寺公園に向かった。

その途中、天王寺動物園の上の歩道を渡り切ったところに、私が藤吉郎と呼んでいる猫がいた。

「久しぶりだな。元気そうじゃないか」と声を掛けて近づくと、藤吉郎はフェンスの中に入り、大きな木の下に陣取った。

その姿は、戦国武将が木の陰にじっと身を潜め、相手の様子をうかがっているように見えた。

「いいぞ、いいぞ。それでこそ木下藤吉郎から名を取った猫だ。怪しげな雰囲気が似合うぞ」と思いながら、フェンスの隙間から藤吉郎の様子を見ていた。

同じ木の下にキジトラの猫もいた。藤吉郎の一味なんだろう