きのうの午後、勤務先のマンションで花に水をやっていたら、顔なじみの小学校低学年の女の子に「管理人さん」と声を掛けられた。
何かなと、水やりの手を休めて女の子の方を向くと、「これな。そこのおじさんにもろたんやけどな」と言いながら、手に握っていた2つの飴を見せてくれた。
そして、「家でも学校でも、知らん人に物をもろたらあかんて言われとるし、何か変なものが入っとるかもしれへんし、捨てよう思うとんねん」と言う。
私は仕方なく、「そやな。それを食べたらあかんな。よし、おっちゃんが捨てたろ」と言いながら、女の子が持っていた飴を受け取った。
私が小学生のころなら、大人に飴をもらったらうれしくなり、その場で口に放り込んでいたものだ。
今の時代はそうはいかない。
私が小学生だったのは、もう50年以上も前のことだ。
世の中が変わるのは当然だ。
それにしても、子どもに飴をあげることもできないなんて…。
言葉の使い方は適切ではないかもしれないが、勝新太朗の座頭市のように「いやな渡世だな」と嘆きたくなった。