
上高地へ向かうバスの中から見た焼岳と大正池
長々とつづってきた私の上高地の物語もこれで終わり。
大阪から名古屋、松本を経て上高地に向かう道中の話だ。
JRの新幹線から在来線の特急、私鉄、バスと乗り継いだ。
変化に富んだ道中は、それだけでも十分に楽しめる旅だった。

JR新大阪駅を午前6時発の始発の「のぞみ」で出た。西に向かう「みずほ」を含め、今年になって何回乗っただろうと思う早朝の列車だ

この日の朝は天気が悪く、定番の伊吹山を撮らなくちゃと思っているうちに、関ヶ原に差し掛かった。低い雲が山を覆い、今にも合戦が始まりそうな気配だった

名古屋駅で中央本線の特急「しなの」に乗り換えた。日曜日でも早朝なので、自由席はがらがらだった

しなのの車窓からの眺めで楽しみにしていたのが「寝覚の床」だった。JRの列車からよく見えると思っていたが、かなり下に小さく見えるだけだった

寝覚の床が少し期待外れだったので、「棚田が撮りたいな」と思いながら外を眺めていた。すると、あぜが曲線を描いた田んぼが現れた

松本駅でアルピコ交通上高地線の電車に乗り換えた。私が学生のころは、松本電気鉄道、略して松本電鉄、さらに略して松電と呼んでいたが、今は名称が変わっている。しかし、私にとっては松電であることに変わりはない

車内から北アルプスの山を望んだ。蓮華岳から鹿島槍ヶ岳に続く後立山連峰の山々の雪をまとった姿が見えた

新島々の駅でバスに乗り換えた。今はネットでの予約が原則で、予約した画面を見せるだけで現金を払わずに乗れる。乗り換えはスムーズだが、ちょっと味気ないなと思った

上高地の帝国ホテルの前にバス停がある。学生のころ、山岳部の先輩が「帝国ホテルでプリンを食うんだよ。そうするとリッチな気分に浸れるぜ」と言っていた。私は結局、ここでプリンを食べることはできなかったが、今はカスタードプリンが1日20食限定税サ込み1000円で提供されている。この値段なら私でも無理なく食べることができる。再び上高地を訪れる機会があるならぜひ立ち寄りたい

上高地のバスターミナルに到着。大阪から約5時間の旅だった。ターミナルから穂高連峰がよく見える。日本広しといえども、これほど眺望に恵まれたバス停はなかなかないんじゃないかと思う