けさ、勤務先に近いマンションの敷地でクマゼミを撮り、「暑中のこの時期はわが世の春だな。暑中お祝い申し上げますと言おう」と思った。
ところが…。
出勤してすぐにマンションの敷地を巡回し、自転車置き場に差し掛かったとき、壁に何かが貼りついているように見えた。
近づいてよく見ると、クマゼミだった。
そのクマゼミはほとんど動かず、壁にへばりついているだけだった。
死期が近いことがすぐにわかった。
セミは成虫になってから1週間ほどしか生きられないという。
わが世の春は、本当に短い春でしかない。
「暑中を祝ってばかりもいられないか」と思いながら、命の火が消えかかっているクマゼミを撮影した。