おとといの夜、天保山大観覧車を撮ったあと、帰ろうとしてふと周りを見たら、近くに天保山公園の入り口があった。
暗い入り口を見て、「猫がいそうだな」とぴんときて、園内を歩いて探した。
目を凝らしながらうろうろし、別の入り口のそばで猫を1匹見つけたが、警戒心が強く、撮らせてくれなかった。
諦めかけて、「もうひと回りしていなかったら帰ろう」と、最初に通った入り口に差し掛かったとき…。
木と金属で作られた碑の根元に黒白の猫が2匹いるのが見えた。
逃げられないように、遠くから撮り始めて、徐々に近づいた。
2匹の猫は仲が良く、どちらかがその場を離れてもすぐに戻ってきた。
猫の撮影に気を取られ、しばらくは何の碑なのか気づかなかったが、よく見るとそれは幕末の英雄・坂本龍馬とその妻・お龍の碑だった。
慶応2(1866)年の寺田屋襲撃事件で九死に一生を得た龍馬は、妻のお龍とともに天保山から船に乗り、薩摩へ旅立った。
その旅は「日本初の新婚旅行」といわれる。
碑の根元で仲良くする2匹の姿は、「猫の龍馬とお龍」のように見えた。