きのうの夕方、家の近くで夕日を撮ったのは、別の目的があったからだ。
真の狙いは「二日月」だった。
前日、ネットのニュースを見たら、日本で部分日食が見られ、南半球では皆既日食、インド洋では金環日食が見られると出ていた。
日本での部分日食はかなり南のエリアに行かないと見られず、海外に行って皆既日食や金環日食を見るような余裕はどこにもない。
ということで、日食のニュースは「そうなんだ」と思っただけだった。
そのニュースを見て、ふと考えたのが月の動きだった。
日食が起こるということは、この日は新月で、旧暦の一日になる。
ということで、きのうは旧暦の二日、調べたところ旧暦の3月2日だった。
で、「それなら、きょうの月は『二日月』だな。三日月とはいうけれど、二日月という言い方はほとんど聞かない。どんな月なんだろう」と思った。
そこで、家の近くの空が広い場所へ行き、二日月を狙ったというわけだ。
きのうは西の空に雲がかかり、強烈な光を放つ太陽はまだしも、淡い光の月を見るには条件が整っていなかった。
夕日が沈んでから、目を皿のようにして西の空を見回したが、月を見つけることはできなかった。
諦めて帰ろうかと目をそらしたとき、ちらっと明るいものが目に入った。
それが二日月だった。
非常に細い月で、通常は「あそこにあるよ」と言われないとわからないだろう。
たぶん、二日月を見たのは生まれて初めてだと思う。
何でもない月ながら、貴重なものを見たような気がした。