きのうの仕事が終わり、西成まで帰ってからいつものように松乃木大明神へ行った。
霧雨が降っていた。
前日に続いてこの日も鳥居の脇に母猫とにいやんがいて、肩を寄せ合うようにして寝ていた。
それを横目に見ながら鳥居をくぐって境内に入り、薬師如来の祠を見たら、西一がいた。
そこはにいやんが主(ぬし)のようにでんと座っていることが多い場所だ。
西一にしてみれば「主の居ぬ間に」といったところだろう。
一方、居場所を奪われた形のにいやんは、その下を素通りして、松乃木大明神の祠の前にある賽銭箱の上に飛び乗った。
「そう騒ぐような話じゃないよ」といった度量の大きさを感じた。