私は上海で10年余り暮らし、その間、古い街並み「老街」に幾度となく通った。
そこにある家には湯船はもちろんシャワーもない場合が多い。
しかし、上海の夏は暑い。
そこで出番となるのが、「行水」と「水浴び」だ。
子どもたちはそうして体を洗う。
そんな光景は、今の日本では見ることができなくなったといっていい。
家の外で行水や水浴び、そこに住む人たちの生活が間近にある老街ならでは光景だ。
人の息遣いが路地裏にこだまするかのような老街が年々少なくなっているのは寂しいことだ。
隣人同士の2人のお母さんが、たらいを並べて子どもに行水をさせている。人と人の結びつきが感じられる(2008年8月23日撮影)
お母さんとおばあさんが2人がかりで子どもの頭と顔を洗っている。子どもは泣き出してしまった(2010年8月22日撮影)
姉と弟が並んで行水。2人が大きくなったとき「夏は2人で行水をしてお母さんに体を洗ってもらったね」という思い出になるのだろう(2013年7月28日撮影)
行水をしているところにカメラを向けられ恥じらう少年。これくらいの年になれば恥ずかしくて当然だろう(2008年7月20日撮影)
大きな洗面器に水を入れ、頭から一気にかぶる少年。豪快な水浴びだ(2012年8月4日撮影)
水道の前にでんと陣取って体を洗う少年と、それを冷やかす友達。なんだかんだいっても仲のいい2人なのだろう(2010年8月1日撮影)