2011年5月の中国西部への旅、中国有数の回族の町・同心をあとにした私は、寧夏回族自治区の区都・銀川を経由して内モンゴル自治区に入った。
私が見た同心は
向かったのは「阿拉善左旗」という町だった。
町の名前は中国語で「アーラーシャンツオチー」と発音するが、モンゴル語の発音を漢字表記したものだ。
銀川からバスに揺られること約2時間半、荒涼とした砂漠に延びる道をたどって、オアシスのようにぽつんとたたずむ阿拉善左旗に着いた。
この町は内モンゴル自治区に属しているが、住民はモンゴル族だけでなく、漢族、回族、満州族など雑多な民族構成となっている。
街はからからに乾いており、そこをぶらつくだけでもけっこう疲れる。
それでもこの町で過ごした3日間は、さまざまな体験ができ、思い出深い日々だった。
阿拉善左旗の街並み。昔からの家はほこりをかぶったような茶色になっている。最近建ったと思われる中層のアパートが遠くに見えている
古い街の通り。水に恵まれた日本と比べると対照的なほど乾いた街だ
荷役に使われているロバが一休みしていた。ロバがカメレオンになったように保護色になっている。それにしても、どうしてロバの表情はいつも悲しげなんだろう
小さな商店の前にたたずむおじいさんと孫娘。何をするでもなく、かなり長い時間じっとしていた
モンゴル族のおばさん。日本のどこにでもいそうな雰囲気がある
街を走り回っていた少女。砂漠を吹き抜ける風で、髪が舞い上がっている。野性味を感じるほど元気いっぱいだった