中国写真館その21 回族の町・同心

20115月、中国の西部を旅した私は、最初の目的地である中衛を離れ、バスで「同心」へ向かった。
私が見た中衛は
 
この町は当初、行く予定がなかったのだが、前日、タクシーの運転手に「このあたりで面白い場所はないか」と聞いたところ、「同心って町を知ってるか。住んでいるのは回族ばかりで、普通の町とはちょっと違うぞ」と言われて、興味をそそられた。
早速、近くの書店へ行って、同心のことが書かれている本を買った。
今ならスマホでちょちょいと検索すれば済むことだが、当時の私はガラケー一本槍だった。
本を読んだところ、同心は回族が住民の80パーセントを占める中国有数の回族の町であることがわかった。
「こいつは面白くなりそうだぞ」と思った。
 
翌日、私は中衛のバスターミナルからバスに乗った。
バスは同心行きと表示されていたが、街には寄らず、少し離れた幹線道路で私1人が降ろされた。
仕方なく歩いて街へ向かった。
 
最初に私を迎えてくれたのが「同心清真寺」(清真はイスラム教の意味)だった。
周囲にほとんど何もないところに唐突に現れたイスラム寺院に、「やはり回族の町なんだな」と思った。
そして、そこから私の同心巡りが始まった。
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同心清真寺。土で焼いたれんがで造られた寺が乾燥地帯であることをうかがわせる
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寺にいた回族の人たち。白い帽子と伸ばしたひげが特徴だ
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このおじいさんのひげは驚くほど長い。こんなに伸びるものかと思う
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午後1時の礼拝に励む人たち。中に入らなければ撮っていいよと言われてカメラを向けた
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同心の昔ながらの街並み。道路や家がすべて茶一色になっている
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家の前の通りでくつろぐ人。通りは立派な社交場だ
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夕食作りに励む回族のおばさん。このあと食事をごちそうになった。写真にもビールの瓶が写っているが、ここでは酒を飲む人が多い。イスラム教の戒律が厳しいエリアでは飲めないのだが
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夜の市場でポン菓子の行商をする回族のおじさん。薪から上がる火の粉が光の筋を描いている