チョコレートの思い出

きょうの午後、近くのコンビニに寄ったところ、陳列棚に並んだ「明治ミルクチョコレート」が目に入った。

このチョコレートには忘れ難い思い出がある。

 

私が大学山岳部の2年生だったとき、夏山合宿で北アルプスの北又谷の遡行というかなり難度の高い山行に挑んだ。

険しい沢登りで、途中で何泊もしなければならなかった。

荷物の軽量化のため、満腹になるような食料は用意できなかった。

 

沢自体は問題なく登りきることができたが、なんでもない下りの道で、私は歩けなくなってしまった。

山仲間の間で俗にいわれる「シャリバテ」の状態だった。

腹が減って動けなくなることだ。

 

そのとき、私の1年先輩がザックの中から1枚のチョコレートを取り出して、私に食べさせてくれた。

そのチョコレートが、この明治ミルクチョコレートだった。

食べ終えると元気回復。

最終目的地の温泉まで、確かな足取りでたどり着くことができた。

その先輩には「おまえはおかしなやつだな。チョコレート1枚であんなに変わるとは」とあきれられた。

 

その先輩は数年前に北アルプス山スキーに行って帰らぬ人となった。

私は当時、中国にいて葬儀に参列することもできなかった。

明治ミルクチョコレートが今も普通に売られているように、私にはあの先輩が今も普通に暮らしているように思えてならない。

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明治ミルクチョコレートのパッケージ。日本を代表するチョコレートの1つだといえるだろう 
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この薄いチョコレートに元気をもらったことは忘れられない