韓国の「トック」で旧正月の一端に触れる

きょうは旧暦の正月だ。

中国では「春節」と呼ばれ、1年で最も大切な祝日とされる。

その一端に触れようと、仕事終わりで、中国人観光客のメッカとなっている日本橋へ行った。

しかし、それらしいものは何もない。

このまま帰るわけにもいかず、、思案していると、ふと「コリアンタウンとして知られる鶴橋なら何かあるかも」と思った。

韓国でも旧暦で年越しをすると聞いたことがある。

 

日本橋から近鉄の電車に乗って2駅、鶴橋に着いた。

駅の周辺の小さな店がひしめくエリアを一回りしても何も見つからない。

仕方なく、よさげな店を探して入った。

ハングルでおばちゃんを意味する「アズマ」という名前の店で、店を切り盛りしているのもまさに韓国のおばちゃんだった。

そのおばちゃんに聞いて、韓国で年越しに食べるという朝鮮半島の餅「トック」のスープを注文した。

食べながら、おばちゃんと鶴橋での年越しについて話をした。

おばちゃんはこんなことを言っていた。

「韓国では昔から旧暦の正月を祝う。鶴橋でも本来はそうなんだけど、1世、2世はいいとして、3世になると韓国での年越しを知らないし、大切にしようという気持ちも薄くなる。日本では旧正月は休みじゃないので、仕事が忙しい若い人は日本の正月の時期に年越しをする。ちょっと寂しいけど、時の流れは止められないからね」

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トックスープ。薄く切ったトックは日本の餅ほど粘り気がない。のり、タマネギ、シメジ、春雨などが入ったあっさりとしたスープだ
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韓国料理の楽しみの1つは、この小皿だ。1人だったので3品と種類は少ない。キムチはさすがと思わせる味だった
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おばちゃんに「韓国では正月の酒は何でもいいのよ」と言われ、定番のマッコリを頼んだ。少し飲んで残ったら持ち帰ろうと思っていたが、ボトルから器にどぼどぼと注がれ、腹をくくって飲むしかなくなった
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「アズマ」。こぢんまりとした店で、おばちゃんの気配りが行き届き、温かい雰囲気が感じられる
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鶴橋のコリアンタウンの一角。早々と閉める店も多く、夜は静かだ